「継続は力なり」という言葉があるように、一言で差別化と言っても、多種多様な差別化を継続していくことは意外に根気のいる作業です。
統計的に、作業に要するたった20秒が、今後継続可能か否かの成否を分けるという研究結果が有ります。
出典は、ショーン・エイカーというハーバード大学の心理学者の著書「幸福優位7つの法則」です。
この本の中には、「統計的に、20秒以上かかる習慣を続けるのは人間にとって非常に難しい。」と書いてあります。これを合法民泊の差別化に応用して考えてみます。
例1:ゲストへのウェルカムカード
継続容易な差別化
ウェルカムカードは全文を印刷しておき、ゲストの名前の部分だけ20秒以内に手書きします。
継続困難な差別化
全文手書きすると、20秒以上かかってしまいます。
例2:自動チェックインを確認するメールを送る
継続容易な差別化
メールの雛形を用意しておき、自動チェックインしたゲストに20秒以内にコピー&ペーストで名前だけ追加して送付します。
継続困難な差別化
毎回全文作成して送信すると、20秒以上かかってしまうかもしれません。
例3:自動でチェックアウト後のお礼メールを送る
継続容易な差別化
サイトコントローラーの「手間入らず」には、チェックアウトの日に自動で「ご宿泊頂きありがとうございます。」とメールを送信できる機能があります。各ゲストの名前も自動で記入されます。費やす時間は0秒です。
以下は、自動送信を設定する手間いらずの画面です。
継続困難な差別化
毎回、全文パソコンでお礼のメールを書くと、20秒以上かかってしまい、継続することができないかもしれません。
例4:立地
継続容易な差別化
探すのは大変ですが、可能な限り駅に近い、できれば駅から徒歩5分以内に宿泊施設を開業します。毎日の差別化は「立地」が自動的に行うので、毎日の皆様の立地の差別化実現にかかる時間は0秒です。そしてゲストには、「駅から近くて立地が良い」とレビューを残してもらい、また他のゲストがそのレビューを見て貴方の施設にやってくるという良い循環が生まれます
継続困難な差別化
どうしても駅から5分以内に物件が見つからず、徒歩13分の物件で開業する。そうすると、ゲストからのレビューで「立地が悪く駅から遠い」と書かれてしまう。そして、どんなに綺麗に掃除しても値段を下げないとお客が来なくなる。毎日、立地以外に時間を使わねば、ゲストが来なくなってしまうという悪循環に陥ります。
上記の例の他にも、
- 物件前の公道を掃除する。掃除しない。
- ゲストに地域のお店を電話で毎回案内する(毎回の電話で一回あたり5分電話する)か、ローカルマップを作っておいて、ゲストが自分で散策できるようにする(物件管理者の毎回の案内のための所要時間は0秒、所要時間は最初に作成する際の1時間のみ)。
- 荷物はチェックイン前に預かる。断る。
- タオルはフェイスタオルとバスタオルを用意する。フェイスタオルは用意しない。
- 飲料用の水のペットボトルを用意する。用意しない。
- 外国人に人気の、抹茶のチョコレートを用意する。用意しない。
- 朝食のサービスをする。しない。
など、差別化の方法は多種多様に存在します。
そして一度そのサービスを始めると、辞めるのは難しいです。なぜなら、朝食のサービスをずっと行なっていて、そのことがレビューに書かれていた場合、次のゲストは「朝食有りの施設である」と期待します。
なので、一度このような差別化を始めたら辞めるのにはリスクが有ります。
皆様が宿泊施設を管理される際、差別化の方法を考えるでしょうが、そのサービスが継続可能かどうかを判断する際は、「20秒で毎回終わるのか。」ということを考えてみて下さい。
朝食にしても、懐石料理のような朝食は20秒で用意できませんが、飲み物とトーストを用意するくらいなら、20秒以内にできます。
20秒ルール、一度ご検討下さい。
今回の記事は以上です。