増加する外国人観光客。英語対応にばかり気を取られていませんか。

しかし、その英語、民泊利用者のたった9%にしか読まれていません。

日本語はもちろん、ハウスルールやルート案内に併記すべきは、

むしろ、圧倒的に韓国語・中国語なのです。

民泊宿泊者数は、日本人が67%

2023年8-9月の2ヶ月で民泊を利用した人の合計は385,493人*でした。
*観光庁の最新データ(2024年1月執筆時)より

コロナの規制が緩和し、外国人観光客の利用が増えているかと思いきや、

日本人が66.8% (257,494人)、外国人が33.2% (127,999人)という結果に。

意外かもしれませんが、宿泊者数の2/3は国内の利用者なのです。

しかもこの日本人宿泊者の数は、前年比で109%。

コロナ禍明けも、堅調に伸びていることがわかります。

つまり、今後も日本人は民泊の主要顧客であり続ける可能性が高いのです。

インバウンドの盛り上がりに惑わされることなく、

実直に日本人の集客とサービスに力を入れていきましょう。

外国人利用者は、東アジア勢が48%

次に33.2%の外国人について詳しくみてみましょう。

国籍(出身地)別の内訳では、3位のアメリカを除くと、

第1位:韓国(15.3%)
第2位:中国(14.5%)
第4位:台湾(10.5%)
第5位:香港(8.1%)

と近隣の東アジアからの利用者が圧倒的に多く、48%を占めています。

この割合は、前年が46%だったことから、増加傾向にあるといえます。

出典:民泊制度ポータルサイト

一方、アメリカ、オーストラリア、イギリス、シンガポールなど、

英語を公用語とする国々からきた宿泊者は、合わせて27.1%。

日本人を含む全宿泊者の8.9%にしかならないのです。

もちろん、国際語・共通語としての英語を無視することはできません。

しかし、この数字を見れば一目瞭然。

民泊の第二・第三ターゲットはズバリ、韓国語・中国語話者です。

DeepLという選択

でも、どちらも読めないし書けない? では、DeepL翻訳を活用しましょう。

DeepL翻訳:高精度な翻訳ツール

使い方は簡単。原文を入れて、翻訳したい言葉を選択するだけです。

もちろん、サイトは日本語に対応しています。

翻訳はGoogle翻訳に頼っている、という方が多いかもしれません。

しかし筆者の中国人の友人らに言わせると

「DeepL翻訳の方が精度が高い」

とのこと。

ChatGPTも、もちろんありです。

作った文章は、できれば一度、ネイティブにチェックしてもらいましょう。

ハウスルールやルート案内、さらにはメッセージのテンプレートなど。

韓国語・中国語版を用意することで、全体的な宿泊者の満足度、

今後の集客の増加が期待できます。

部屋の利用の仕方などが伝わりやすくなり、トラブル回避にも役立ちます。

最後に

今回は、民泊宿泊者数のデータを用い、

主要な利用者層と多言語サービスについて考えてみました。

ポイントは、

  1. 集客で最もターゲットとすべきは2/3を占める日本人
  2. 次のステップは、韓国語・中国語対応の充実
  3. 実は英語はあまり優先度が高くない

以上の3点です。

今後は中国語・韓国語にも注力していきましょう。

文=町田紗季子