結論
宿を新設する。宿業界に新しく参入する。
その時に一番大切なもの。筆者が考えるそれは撤退計画です。
さらに具体的にいうと、「撤退には半年分の生活費が必要」です。
事業がうまくいかなくても、撤退をうまく繰り返し、何度も成功するまで挑戦し続けることができれば、いつかは成功できるでしょう。
参入のタイミングは今
今は2020/12/16。コロナ危機真っ只中です。
ですが、以下のような状況で、私には宿業界はチャンスに満ちてると思います。
- ワクチンは開発され、米国や英国で接種が始まった。ただ、日本に、いつくるかまだ不明で、世の中一般の人はコロナに不安がってる。
- TranbiというM&Aサイトでは、すごく立地のいい物件がちらほら安く売られてる。Tranbiのサイトはこちら。
- 東京オリンピックは、2021/7/23~2021/8/8まで実施される予定。この頃には、また訪日外国人も来日し始めているだろう。
宿業界への参入状況
手元に資金があるので、宿業界に参入しようと考える人は実は増えてます。
何を根拠に、「宿業界への参入が増えているか」ですが、弊社が提供するサイトコントローラーBeds24への登録数がこの1ヶ月、ずっと増えているからです。
2020年11月16日:2001施設
2020年12月15日(本日):2038施設
と、この1ヶ月で37施設も増えています。
世の中に、「宿業界はもう本当にやばい」という意見が溢れる中、実は宿業界への新規参入はどう考えても徐々に増えています。
コロナ前の2019年12月頃は、1ヶ月で150施設くらい増えてたことを考えれば、確かに現在の「37施設増加/過去1ヶ月」は、勢いがあるとは言えないです。しかし、確実に宿は増えています。
収支計画
誰でも、ビジネスを計画する時は収支計画をたてます。簡単には、
「いくら売上があり、いくら費用があり、利益はいくらか。」
です。
上記を収支計画と言いますが、宿業界で終始計画を立てようとするなら、以下の吉岡さんのnote の購入は必須です。
これを参考に、自分の宿の計画を立てましょう。
こちらから上記のnote に飛べます。有料ですが、それに見合う生の経営情報を得られます。
撤退計画の線引きは、6ヶ月分の生活費に必要な現金の量
売上-費用=利益
の収支計画を立てる人は多い。しかし、撤退計画を立てる起業家は少ない。
私が考える大きな理由は1つ。
「起業家が基本的に宿業で失敗すると思ってないから。」
です。
しかし、宿業は熾烈な競争が存在し、失敗することはザラです。
私は起業家として2014年から現在までの約6年、経営する中で、「成功するまで挑戦し続ければ失敗は存在しない」と思うようになりました。
そんな中、私は何か会社で大きな投資をする際は、「どう失敗したら致命傷にならないか、どう撤退できるか」をまずは考えるようになりました。
撤退計画と言っても重厚長大な計画は不要です。
「ある銀行口座(起業家なら自分の個人の口座や、会社の口座)の現金が、どうしても90万円を切ったら、撤退。」
などの一文でまずは十分です。
この時、撤退戦略は売上、費用、利益などを基準にせず、「半年分の生活費に必要な現金の量(例:15万円*6ヶ月=90万円)」で線引きするといいでしょう。
撤退計画の詳細
会計簿上の売上、費用、利益は、実は人間の思惑である程度、操作することが容易です。帳簿上では赤字を黒字にしたりできます。
ただ、銀行口座の現金の量は嘘をつかないので、これを撤退戦略の線引きに利用すると良いです。
現金の量として適切なラインは、「自分が生活するのに必要な半年の現金量」です。
宿業の撤退に2ヶ月かかるとして、4ヶ月は転職活動すると考えると、半年分の生活費は撤退に必要です。
この、撤退に必要な費用(上記では6ヶ月分の生活費)を宿の赤字補填に使ったりすると、危険です。例えば以下のような悪循環が生まれます。
宿赤字が続いて...
→6ヶ月分の撤退費用を赤字補填につぎ込む
→宿業から撤退しにくくなり、経営者の心がすさむ。部下や同僚にストレスをぶつけるようになる。
→ストレスで夜に寝られなくなる。
→そして、うまく経営ができなくなる。
→赤字が膨らみ...
という負のサイクルが発動します。
「貧すれば鈍する」
が現実となります。
なので、貧すれば鈍する前に、半年分の生活費を撤退ラインとして、宿業界に参入しましょう。
最後に
「失敗しても、半年分の生活費があるから、なんとか挑戦しよう」という気持ちの起業家と
と、
「やばい、これ失敗したらもうどうやって生活すれば…」という起業家、どちらが成功しやすいでしょうか。
私は前者と思います。
私は、起業家として前者の気持ちを心に持ちつつ、なんとか弊社は7期目に2020/11から突入しました。
そんな私はみなさまにおすすめしたい。
「どうやったら成功するかではなく、どうやったら失敗しないか、を考えてみませんか。」