OTAは死屍累々
昔、サイトコントローラー「ねっぱん++」の運営会社社長の阿部さんとお話しした時、
「ねっぱんは宿予約サイトと多く接続した。50以上は接続した。しかし、ほとんど生き残っていない。5年以上生存する確率、10%以下だろう」
と言われました。
筆者の長坂は、なぜなのか…とずっと考えてきました。
OTAが成功しにくい理由:消費者の第一想起を得るのが難しい
では、一つ事例をあげます。例えば、以下のようなピザが家で食べたくなった時。どうピザを調達しますか。
- ピザハット
- ピザーラ
- ドミノぴざ
- 近所のスーパーのピザ
など、読者の方の状況に応じ、多くの回答がなされると思います。
「ピザ食べたい」と思った時、最初に浮かぶ候補
→第一想起(最初に思い浮かべるモノ)
と言います。
第一想起の詳しい説明はこちら。
じゃらんと楽天トラベルの圧倒的な強さ
宿予約サイト業界にとって、じゃらん、楽天トラベルは日本で二強です。
それは、
検索数などを検証した結果から明らかです。
記事の結果から、日本人の「宿を予約しよう」と思った時の、第一想起はじゃらんと楽天トラベルがほぼ独占している状態です。
第一想起を得るには圧倒的なマーケティング予算が必要
新しい宿予約サイトが第一想起を獲得するには、一般消費者そのブランドを知ってもらう必要が有ります。
それには多額のマーケティング予算が必要です。
新興の宿予約サイトは、通常、じゃらんなどの予約サイトの年間広告予算(数百億円)を賄うことが困難です。
故に、じゃらんや楽天トラベルを凌駕して消費者の第一想起を得ることは途方もない困難なことです。
多くの新興サイトは、このじゃらんと楽天トラベルの第一想起の壁を超えられず、利益を獲得できず、サービス停止に追い込まれていると私は考えています。
予約サイトに掲載してもらう宿を探す必要もある
加えて、参加する宿を募る必要がある。 これも本当に大変です。
営業人員が、宿を一件一件、「新しい宿予約サイトに掲載してください」と口説く必要があります。 営業人員の費用も膨大になります。
最後に
要するに、以下の2つの壁が新興宿予約サイトに立ちはだかります。
- 第一の壁:第一想起を得るためのマーケティング予算
- 第二の壁:予約サイトに掲載してもらうことを依頼する、営業人員の費用
ただ例外として、上記の壁を打ち破った2013年開始の新興宿予約サイトとして、Relux(リラックス)があります。
リラックスの創業ストーリーは面白いので、時間のある際に創業者の篠塚さんのnote「Loco Partners創業物語と退任のご報告」をご覧ください。